空模様は、
台風の過ぎ去ったあとに
静かに動く雲の妙技。
臼灰色に蠢く雲の流れゆく様は
昨日も、明日も分からなくして。
ただ、ただここにある色だけを
誇示して、それを蝉の鳴き声と
風のうねりに身を委ねているだけの姿。
人は、それさえも知らないままに
ニュースに見入るだけ。無事に
明日が来ますように。
被災地に、そんな想いを抱いている
夏の日の、臼灰色した空に流れるる
雲の穏やかさは、感傷も刹那も忘れる様。
『日本の対岸』は、テロリストだけでは
ないみたい。自然界に繋がる人々の命に、
『幸あれ』と願うのは、神職と僧侶だけ。
杼絽
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